ライター:雨宮みずほ     きもの好きが高じて2011年4月に『東京きもの案内』を出版しました。園芸や日々の出来事などをゆるゆると綴っています。記事内容の転用、写真の使用はご遠慮願います。


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タグ:伝統芸能&手仕事 ( 56 ) タグの人気記事

ぽっちり赤で弟子フェスに

8月になり、じわじわと暑さも本格的になってきましたね。
先日、そんな夏の宵、暑さも思わず忘れてしまうほどの熱気あふれるイベントに参加させていただきました。その名も「弟子フェス」

「弟子フェス」とは、歌舞伎・文楽・能・狂言・邦楽など伝統芸能の魅力をさまざまな視点で紹介する情報サイト「ここん」さんが、様々なジャンルの先生方にお試し入門する「お稽古行脚」のコーナーから発展! お稽古の成果を披露して楽しんじゃおう! とイベントです。

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私は、小唄で参加。ちょっと女性らしく帯揚げと帯締めに赤をきかせて。
「ここん」のメンバーは、たった半年のお稽古とは思えないほどすばらしい長唄三味線の演奏を披露! ほか、日舞あり、落語あり。芸達者な皆さんとの大盛り上がりの一日、思う存分楽しませていただきました!
「ここん」のメンバーの皆さん、そして私のつたない唄に伴奏をつけてくださった杵屋栄八郎先生、本当にありがとうございました。
by rojiuratanken | 2016-08-05 12:45 | 着物

紅花の里へ④ 青苧(あおそ)


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c0195134_17393578.jpg紅花摘み体験で出かけた山形県白鷹町でみかけた青苧。かつて白鷹町のある米沢藩では、紅花とともに青苧が主要な農作物のひとつだったそう。

青苧とは、イラクサ目の多年生植物で、麻やシナノキなどとともに、東北地方では、人々の日常的な衣類、上質なものは奈良晒や武士の裃にも使われました。きもの好きには、苧麻として高級きもの「越後上布」の原料としても知られていますよね。

「ずっと植えていなくても、こうして今でも生えてくるんですよ」と紅花の館の今野さん。米沢藩では、生命力の強い青苧を畑の斜面にも植えていたのだとか。生い茂る青苧の緑を見ていると、かつての白鷹町の人々の暮らしが忍ばれます。

それにしても、この青苧から皮をはぎ、繊維を取り出し、糸を績み、つなげ、織物にするという作業はどれだけ大変な作業だったことでしょう。綿のように実からそのまま紡げ糸になることを考えれば、気の遠くなるような手作業です。
江戸時代、寒冷地ゆえ木綿が育だたず庶民の衣服といえば麻が主な衣類だった東北の地。
冬になると、1~2mも積もるという雪深い地でだからこそ、はぐくまれた織物だなーと、実直で辛抱強い山形の人々にふれながら、つくづくと感じたのでした。

by rojiuratanken | 2016-07-29 18:04 | 手仕事

紅花の里へ③ 最上紅花の復活


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c0195134_19270694.jpg山形県置賜郡白鷹町にある今野正明さんの紅花の館さんで体験させていただいた紅花摘み紅餅づくり

紅花は、山形県の県花として指定されていますが、じつは江戸時代に栽培され特産品となっていた紅花も、明治に入ると化学染料の流入により、一気に衰退。ほとんど栽培されなくなくなりました。
Uターンで地元に戻ってきていた今野さんは、「かつて最上紅花として白鷹の特産品であった紅花をもう一度、栽培したい」と一念発起。地元の有志たちとともに「白鷹紅の花を咲かせる会」を発足させます。

写真:山形鉄道フラワー長井線に描かれた紅花のラッピング電車

c0195134_19521890.jpg会は発足したものの、明治期からすたれてしまっていた紅花栽培。今野さんをはじめとし、町の古老たちでさえも実際に紅花畑を見たことがありません。
まずは、紅花の種を探すことから。やっとのことで県下の農家に保存されていた紅花の種をみつけ、そのごくわずかな種を一年ごとに増やしていくという、地道な努力により、紅花畑を増やしていきました。

現在では、国内の70%もの紅花を栽培するまでになった白鷹町の「最上紅花」。その染料は、伊勢神宮の式年遷宮や奈良の東大寺のお水取りの際に使われる椿の造り花「糊こぼし」などに使われ、日本に古来から続く行事の一役を担っています。


c0195134_20055081.jpg町ぐるみでの取り組みとともに、今野さんは、地元の小中学生の総合学習の一環として紅花栽培や紅花染めの体験授業など、紅花文化を伝えるために精力的に活動されています。
お伺いした日も地元白鷹町の中学生に白鷹の紅花文化について説明する今野さん。私たちが訪れている間も、とても親切に丁寧に対応していただき、本当に感謝の思いでいっぱいです。


c0195134_20152201.jpg朝食にいただいた紅花ご飯。サフランライスのような感じでしょうか。
紅花には、血行不良や冷えにも良く、漢方薬としても注目されているそう。

そういえば、女性のきものの胴裏や襦袢として使われていた「紅絹」は紅花で染めたもの。日本人は古くからその効用を知っていたのですね。

c0195134_19180319.jpg東京にも、紅の文化を知る事ができるオススメスポットがあります。南青山にある紅ミュージアムさん。江戸後期に日本橋で創業し、今なお当時の製法で、紅を作り続けている『伊勢半』さんが、紅の歴史や文化を紹介しています。わかりやすく丁寧な展示内容や企画展とともに、ミュージアム内では実際に鏡を見ながら紅をさす体験もできますよ。

伊勢半本店 紅ミュージアム
所在地 :〒107-0062 東京都港区南青山6-6-20 K's南青山ビル1F
TEL :03-5467-3735
開館時間 :10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日 :毎週月曜日(月曜日が祝日または振替休日の場合は、翌日休館)、年末年始
入館無料




by rojiuratanken | 2016-07-28 19:41 | 手仕事

紅花の里へ② 紅餅づくり

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山形県置賜郡白鷹町の紅花の館さんで体験させていただいた「紅花摘み」

c0195134_05522891.jpg早朝に摘みとった紅花は、水洗いし、三日三晩水打ちしながら発酵させます。紅花の組織の99%は黄色で紅の色はわずか1%。
水溶性である黄色の色素を洗い流し、紅の組織のみを残していきます。

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c0195134_21330562.jpgその後、餅つき機にかけて組織をくだき、お団子状に。昔は、杵と臼でつくったことから、「紅餅」という名前がつけられたんだとか。

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お団子を手のひらでつぶして




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平たくお煎餅みたいにして、藁のむしろの上で天日干し。

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たーくさんの紅餅と紅花! なんてきれいなんだろう。
やっぱり紅色ってパワーがあるのかな? なんだか元気がでてくる感じ。

c0195134_05585632.jpg紅餅は、何度も裏返してカラカラに乾くまで乾燥。
江戸時代は、紅餅を置いたむしろの端っこに1文銭を10枚重ねて置き、全部裏返せば1文もらえるというルールがあり、地元の子どもたちのお小遣いになったそうですよ。

紅餅にすることで、長期保存が可能になった紅花は、「最上紅花」として陸路→最上川の水路で酒田へ→北前船で敦賀→京都 と運ばれ、京都でほお紅など紅花染めとして女性たちを彩っていきます。良質な最上紅花は、米の百倍、金の十倍といわれるほどの貴重品だったとか。

紅花といえば、山形の県花ですし、江戸時代から脈々と栽培されてきたイメージがありますが、じつはいったんは、途絶えてしまい地元の人たちの努力によって復活。
現在は、伊勢神宮や奈良のお水取りの糊こぼしの染色としても使われています。次回は、「最上紅花」復活までのお話に続きます。


by rojiuratanken | 2016-07-24 06:00 | 手仕事

紅花の里へ① 紅花摘み

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c0195134_105754100.jpg夏休みをかねて、山形県置賜郡白鷹町の「紅花の館」さんで紅花摘み体験をしてきました!

国産の紅花の約7割を生産している白鷹町。紅花は、夏の花というイメージですが、花の開花期間は7月10日前後のたった10日間! その間に収穫しなければならないうえに、紅花を収穫するのは主に朝日が昇る前。というのも、紅花の棘が朝露に濡れやわらかくなるため、早朝に収穫するのだとか。

この忙しい収穫期、白鷹町では紅花摘みの「猫の手隊」を募集されているということで、1泊2日で参加してきました!




c0195134_11264535.jpg朝5時半から朝もやのかかる朝日連峰を望みながら、鶯のホーホケキョ♪という美声をバックに、紅花の館の今野さんに教えていただきながら、紅花摘みスタート。

収穫するのは、扇形に花が開ききった「完熟」といわれる花のみ。完熟した花は、手をいれなくてもぽろっととれて摘みやすくなっています。心配した棘は、皮の手袋をしているため、それほど痛くはありませんが、密集した畑では背中に棘が刺さってチクチクして痛いんだなー、これが。じゃあ、品種改良で棘のない紅花作ればいいじゃん! と思いきや実際、棘があまりない紅花はあるものの色素が棘があるものに比べて薄いんだとか。棘があってこその美しい紅色なんですね。

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こんなに棘があるのに畑には、カエルや黄金虫、カメムシがやってきます。チクチク痛くないのかな?

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約2時間ほどの紅花摘みを終えて、早速、計量! 
私は、たったの300g。今回、お世話になった今野さんは600g。そして、地元の農家のおばちゃんたち、なーんと1人1kg!! 
2時間っきりの作業でぐったりな私。おばちゃんたちは、「これから別の畑に行ってくるべー」と元気ハツラツ。
まーったく猫の手にもなってない私です。トホホ。

紅花摘みのあとは、紅餅つくりへと続きます。



by rojiuratanken | 2016-07-23 10:36 | 手仕事

きものの色見本

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ずいぶんと長くブログもご無沙汰してしまい、桜も散り、あっという間に新芽のまぶしい季節になりました。気づくと、季節がぐんぐんとすすんでいきます。
さて、こちらは、2月に訪れた中井の染の小道のイベントで購入した色見本帳。眺めているだけでも楽しくて、2冊購入してしまいました。

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色には、梅鼠や桜花色、柳葉、丁子茶、遠州茶など、その名前からも、日本の四季のうつろいを感じます。

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この色見本帳は、1995年月刊で出版されていた月刊「色」。作家さんによっていろいろな色が提案されています。
テーマも「廻り炭・廻り花(夜咄(←写真左)や「星の王子様から抽出された観念的変更(写真下↓)なんて不思議な題名も。

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額に入れて飾ってみても面白いなーと、つらつら眺めながら使い方を思いめぐらせています。
by rojiuratanken | 2016-04-14 14:18 | 着物

木匙のお手入れ

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料理用のオリーブオイルが残り少なくなってきたら、たまーに行うのが木匙のお手入れ。
いらなくなった布裂に瓶に残ったオイルをたらして、匙に塗るだけ。
たったこれだけで、カサカサっぽかった木の風合いに、艶が出てきて、ちょっと生きかえった感じになります。
by rojiuratanken | 2015-02-22 09:11 | 手仕事

すぎえすみえさんが提案する『帯教本』

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 2015年はじめのブログは、帯つかさ すぎえすみえさんが提案する『花邑 帯教本(一)』のご紹介です。すぎえさんとのご縁は、『東京きもの案内で目白のお店をご紹介させていただいたことがきっかけ。現在、帯の仕立てとオリジナルの帯を販売する『花邑』とともに、日本で唯一の帯教室「花邑工房」を目白と京都で主宰しておられます。

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帯教本では、自分にあった帯サイズの提案やオーダーの時に気をつけること、半幅帯の作り方がわかりやすくかわいいイラストとともに紹介されています。
じつは、着物の寸法や仕立て、着付けについての本は、世の中にあまた出版されているというものの、帯についての提案書は今まで出版されていなかったといいます。しかし、「帯の職人文化を後世に伝えていきたい」というすぎえさんの熱い思いから、今回、自費出版されました。

そういえば、着物初心者の頃は、どうしても着物に気持ちがいってしまい帯は、後回しになってしまいがち。でも、背の高さや体型によって帯の長さやお太鼓の幅、前幅を変えることは当然なことであり、帯のマイサイズを把握していれば、着姿もぐんと変わってくるというもの。また、帯の種類によって芯の厚さを変えるなど、仕立てについての知識もあれば、着心地や着付けも楽になるというものです。

帯職人の世界は、着物の和裁技能士養成の学校や教室、職業訓練校もなく、着物人口が減ってしまった現在では、独立して生計をたてることも難しいといいます。そんな中、伝統的な帯の仕立ての技術や文化をつなげていきたいという思いを形にした『花邑 帯教本(一)』。続編として、(二)(三)と出版され、もっと多くの人々に人々に、日本に受け継がれてきた帯職人の技を知っていただけることを期待しています。

本書は、花邑目白店花邑銀座店スタジオアレコレさんで1冊800円で購入できます。

<追記>
「花邑工房」で帯の仕立てを学んだ後に独立され、生地選びから仕立てをおこなう帯を販売されている生徒さんたちも。『中村かをる創作帯屋』さんと創作帯工房 あとりえ 布々さん。アンティークの布を使ったオリジナル帯が魅力です。

☆関連ブログ:
母譲りの羽織を帯に仕立てかえはこちら
by rojiuratanken | 2015-01-06 09:53 | 着物

古布を使って和綴じ本づくり

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秋晴れのさわやかな日和の中、紙工芸家・石黒典子さんの和綴じ本教室へ。
石黒さんは、『紙工房 典雅』を主宰し、紙を使った折りや包み、人形や張子などを定期的にお教室を開催されています。

今回は、和綴じ本の中でも「折り本」という種類を作成。端を綴じない仕立てのため、写真や画帳などかさばるものでも収納しやすい形です。

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せっかくなので、今回は古布を表紙に使ってみました。
折り本とは、紙を折ってつなげていく作業が基本ですが、紙や糊の使い方にもコツがあり、そのひとつひとつの手間を惜しまないことが美しい仕上がりにつながることを教えていただきました。なにぶん不器用で手の遅い私ですが、丁寧でわかりやすい石黒さんの説明で、なんとか完成!  

完成した折り本には、帯締めの道明さんから毎月送られてくる色見本をはろうかなと思っています。

石黒さんは、紙工芸作家として活躍されたエキグチクニオさんのお弟子さんでもあり、現在は、木版画家の安本秀氏に師事されています。こちらのHPにもご紹介していますので、ぜひご覧になってください。
by rojiuratanken | 2014-11-07 21:30 | 手仕事

昔ながらの箒屋さん

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昭和の香り漂う街、小岩。
先日は、やかん天国の金物店とのうれしい出合いがありましたが、昔ながらの手づくりの箒屋さんも残っていました。

ブルーの看板と雨戸が印象的な外観。看板好きとしては、「御座敷」という言葉にまずグイッとそそられるとともに、几帳面でやさしい感じの文字から、店主のほうきづくりへの誠意が伝わってきます。引き戸をガラガラっと開けて中に入ると、たくさんのホウキが壁にかけられていました。

出迎えてくれたのは、江戸川区指定無形文化財の新井克己さん。この道、60余年の新井さんが作るホウキは、大きく分けて2種類。ホウキモロコシとシュロを使ったホウキで、用途別に大きさはいろいろ。ほうきは、掃除機よりも軽くて持ちやすく、音も出ないホウキは、マンション暮らしが多い現代の暮らしでも見直されているそうです。

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そういえば、うちにも手箒があったような。
ついつい掃除機やクイックルワイパーを使ってましたが、箒の存在をここで改めて認識!
まずは、家にある箒を使いこなすべしですね。

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よく使っているのは、こちらのちっちゃな箒。洋服のほこりをおとしたり、布団干しの時にゴミをとったり。
生地も傷まずに、よくとれるので重宝していますよー。
by rojiuratanken | 2014-06-09 10:58 | 手仕事