ライター:雨宮みずほ     きもの好きが高じて2011年4月に『東京きもの案内』を出版しました。園芸や日々の出来事などをゆるゆると綴っています。記事内容の転用、写真の使用はご遠慮願います。


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種田の地下足袋

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先日、スカイツリーでにぎわう押上界隈を歩いていたら、なんとも質実剛健な店構えの木造建築に遭遇しました。
『種田の足袋』という看板にひかれて、お邪魔してみたところ、店内には、煙管箱が置かれ、町火消の流れをくむ鳶職人さんたちから送られた木札がずらりとかかげられています。

さながら時代劇に出てきそうな雰囲気のこちらのこちらのお店、じつは一般の人が履く足袋店ではなく、地下足袋をはじめとした鳶装束の老舗とのこと。女将さんにお話をお聞きしたところ、こちらの地下足袋は、手縫いで作られているそうです。



ええ?! 地下足袋といえば、ご存じのとおり、ゴム底がついているわけで、それを手縫いしているとは?!単純に考えて、ものすごく力のいる作業では? という質問に、「大変な仕事だから、もう跡を継ぐ職人さんがいないんですよ。この地下足袋を1足作るだけでも、8人の職人さんの手がかかってるの」と女将さん。

8人もの手による地下足袋をつくり続ける種田の足袋。手縫いにこだわるには、手縫いならではの良さがあるからのはず。
その良さとは、足の動きにあったフィット感。一般に売られている地下足袋は、足袋とゴム底を接着剤でくっつけていますが、手縫いの場合、足の外側のみを縫っているため、足袋とゴム底の間に空気が生まれるそう。その空気が足に吸い付くフイット感を生んでいるといいます。

まさに元祖エアジョーダンですよね。実際、エアジョーダン誕生の前にナイキの方がお店にみえたそうですよ。実際、この『種田の足袋』の履き心地の良さを求めて、注文する常連さんも多く、現在は3カ月待ちの状態といいます。

建設現場や造園作業などで、動きやすく安全にと明治時代に生まれた地下足袋。「東京タワー建設にたずさわった鳶の職人さんは地下足袋だったけど、スカイツリーの建設は、今やほとんどが安全靴。地下足袋を履く人も少なくなったよ」と女将さん。

そして職人さんも高齢のため、作れるのもあと数年とのことです。

ん~なんとも残念。こういった話は、日本の伝統産業の現場では本当に良く耳にする話です。なくなってしまう前に、今度はお話だけでもゆっくり聞いてみたいと思いながら店を後にしました。突然の訪問ながら、お話をしてくださった女将さん、ありがとうございました。
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by rojiuratanken | 2012-01-28 00:19 | 手仕事