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ライター:雨宮みずほ     きもの好きが高じて2011年4月に『東京きもの案内』を出版しました。園芸や日々の出来事などをゆるゆると綴っています。記事内容の転用、写真の使用はご遠慮願います。


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福を招くお守り菓子 北海道から沖縄まで

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友人のグラフィックデザイナー・溝口政子さんが、『福を招くお守り菓子 北海道から沖縄まで』を虎屋文庫の中山圭子さんと共著で出版されました。

和菓子の本といえば、老舗の和菓子や観光用のお土産品などが思い浮かびますが、本書では、地域の風土、信仰、生活に密接に結びついた「縁起菓子」「行事菓子」といわれるお菓子を紹介しています
例えば、占いの紙を餅種や煎餅に入れた「辻占菓子」といわれる占い菓子や、小正月に豊作を願い作られた「餅花」といわれるお祝い菓子、お釈迦さまの命日である涅槃会に作るお供え餅などなど。

本書出版のきっかけは、溝口さんのホームページ
いとおかし」でした。





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溝口さんの出身地である新潟を中心に、日本各地の縁起菓子や行事菓子を集めた「いとおかし」は、願いや祈りを形に込めたかわいらしいお菓子の世界に、訪れる人をいざないます。

なかでも行事菓子は、作り手が神職さんや地元の人であるため、店頭で販売されることはありません。また、小さな集落で行っているお祭りなどは、地元の人のみが知る情報ですし、作り手の人々も高齢化し、お菓子そのものも消えつつあります。

溝口さんは、年1度行われるお祭りの日にあわせて、直接現地に足を運び、地元の人々や和菓子店さんを取材しています。

土地の人からの地道な聞き取りなどによって得られる情報を頼りに、こつこつと集められた資料は、本やインターネットで安易に集められる情報とは違い、時間と根気のいる作業の積み重ねです。

観光用のお土産菓子ではなく、長年地域の歴史とともにはぐくまれたお菓子。人々の暮らしの中で身近に存在したお菓子。庶民に愛されたお菓子からは、どこか懐かしく素朴な温かみを感じます。
また、素材や作り方、道具まで、丁寧に取材されているのは、溝口さんが製菓・製パン会社の企画室に勤務され、豊富な知識があったからこそといえます。

集められた情報は、例えばまゆ玉ひとつとってみても稲作、養蚕など地域の特産物によって「餅花」や「ものづくり」などさまざまな呼び名や形の違いがあることがわかります。文献だけの机上の考察ではない、自らの足で集めた現地の人々の声、写真、資料で集められた情報を、地域や種類などの切り口で紹介した溝口さんの「いとおかし」。そこには、私たち一般の人々にも、わかりやすく親しみやすい形で「お菓子からみた日本の民俗史」が語られています。

ホームページ、そして本の出版をきっかけに、地域で大切に作られてきたお守り菓子が見直され、受け継がれるようになるとともに、日本各地に眠っているであろうお守り菓子が発掘されることを祈っています。


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私も、溝口さんのHP「お菓子かわら版『フェリーチェの甘い生活』」に、讃岐でであった「おいり」(写真左上)や縁起物の宝船図のコーナーに登場させていただいています。
by rojiuratanken | 2011-12-16 11:26 | 手仕事