ライター:雨宮みずほ     きもの好きが高じて2011年4月に『東京きもの案内』を出版しました。園芸や日々の出来事などをゆるゆると綴っています。記事内容の転用、写真の使用はご遠慮願います。


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上方伝統芸能あんない

日本の伝統芸能とひとくちにいっても、歌舞伎やお能、狂言、etc・・・いろいろとありますが、それぞれの歴史や特徴、お互いのつながりについては、私自身ぼんやりとした知識というのが、本音であります。とはいいつつも、きものにはまるようになってから、がぜん和の芸能には興味を持ちはじめるように。ここ数年は、歌舞伎にお誘いをいただき、お芝居の楽しみに開眼したところです。

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と、前置きが長くなりましたが、大阪を拠点に着付け教室キモノ*スイーツを主宰する堀口初音さんが、『上方伝統芸能あんない』を出版されました。堀口さんは、着付け教室とともに、3歳から親しんだという日本舞踊の山村流師範としても幅広く活躍されておられる方。著書では、上方で育まれた歌舞伎、文楽、落語、能、狂言、講談、浪曲、上方舞について、初心者にもわかりやすい解説で語られています。

なにかと和の芸能といえば、とっつきづらく、「どうやって観たらよいのやら」と頭で考えてしまいがちですが、本書では楽しみ方はもちろんのこと、チラシの見方、公演の流れなどを「つまづきポイント」として、丁寧にアドバイス。歌舞伎の片岡愛之助さんや上方舞の山村若さんなど、各界の第一線で活躍されている方々へのインタビューでは、そのお人柄や日々芸に精進する姿勢など、演者自身の魅力がじかに伝わってきて、伝統芸能への興味をぐっと引き寄せてくれます。

「上方」という書名のとおり、京都、大阪で育まれた上方芸能にしぼって紹介されたのも、とても興味深いものでした。きものの世界でも、「はんなりな関西と粋な関東」という言い方がよく使われますが、芸能の世界もしかり。町人文化のもとで成熟した上方芸能は、やわらかさと華やかさをもち、情深いなかに笑いの要素をもつ芸能として発展してきたことがわかります。

そういえば、以前、関西を拠点とする茂山家の狂言を観た時に、東京の野村家の狂言と全く趣が違うことに驚いたことがありました。お饂飩の出汁ひとつとっても、味が全く違うように、東西の芸能文化も、その歴史とともにことなる発展をし、現代に受け継がれてきたのだと思った次第です。

巻末には、「着物で観劇 コーディネート見本帖」として、各観劇でのコーディネートを提案。きもの好きには、うれしい内容になっています。
まずは、劇場に足を運んでみようかな? と思わせてくれる上方芸能のよき入門書、指南書としてオススメの一冊です。
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by rojiuratanken | 2011-11-11 23:05 | 着物