人気ブログランキング |


ライター:雨宮みずほ     きもの好きが高じて2011年4月に『東京きもの案内』を出版しました。園芸や日々の出来事などをゆるゆると綴っています。記事内容の転用、写真の使用はご遠慮願います。


by rojiuratanken

プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る

S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

著書『東京きもの案内』のご購入はこちら

カテゴリ

全体
プロフィール
着物
園芸
建物
歳時記
手仕事
銭湯&温泉
農園
奈良&京都
日々
アート
未分類

タグ

(222)
(145)
(128)
(79)
(56)
(53)
(42)
(36)
(30)
(29)
(28)
(17)
(14)
(12)
(11)
(11)
(10)
(6)

以前の記事

2019年 03月
2019年 01月
2018年 06月
more...

検索

その他のジャンル

最新の記事

BLOG移行のお知らせ
at 2019-03-18 20:20
あけましておめでとうございま..
at 2019-01-02 14:52
七緒夏号に
at 2018-06-21 12:35
遅ればせながら 明けましてお..
at 2018-01-14 11:42
『七緒』2017冬号に
at 2017-12-14 10:40

画像一覧

春の奈良④ ー薬師寺花会式Ⅰ

c0195134_22451187.jpg
東大寺のお水取りとともに古都奈良に春を告げる行事として知られる薬師寺の花会式。毎年、3月30日から4月5日にかけて行われています。
以前から、花会式で唱えられる練行衆たちの声明やお供えされる10種類の造花にとても興味がありました。そこで今回、薬師寺に1泊参篭させていただきお参りをしてきました。





c0195134_23538.jpg
花会式の法要は初夜・半夜・後夜・晨朝・日中・日没の合計6回が7日間不眠不休で行われます。
今回は、初夜~晨朝の行に参加するため、夕方に薬師寺本坊へ向いました。法要の前に、夕食と入浴をすませます。夕食には、精進のお弁当をいただきましたがあっさりとしたお味で美味しかったですよ(写真)。その後、今晩参篭させていただく慈恩殿へ行き、身を清めるための施浴(入浴のこと)を行いました。広い湯船にゆったりとつかり、心も体もさっぱりしたところで初夜の行に向います。

c0195134_2351669.jpg

c0195134_23342438.jpg
薄暗くなった境内から法要が行われる金堂に入ると、お経を配られます。経文には摩訶不思議なマークのようなものが書かれていましたが、これが声明の楽譜=博士と言われているものなのでしょう。
午後7時、カラコロとした差懸の音とシャラシャラとした鐘?の音とともに10人の練行衆が入場してきます。燈明が灯され薄暗くなった堂内に法会全体の進行を取り仕切る「時導師(じどうし)」の先導のもと法要がはじまりました。
さて、薬師寺の声明は、お経を唱えるというよりは、激しく荒々しく叫ぶ感じ、とても野生的なのです。時導師は、薬師如来さまに向って時々大きく体をそらし、まるで応援団のように声を張り上げます。「ハッツ!」とか「なむや~」とり叫ぶ声は、まるで一世風靡セピア(古い!)のよう。と、思えば演歌のような「うぅう@@~~~?」コブシをきかせたり。そして、不思議なのは、練行衆それぞれの音程が微妙に違っていること。西洋音階では、音程をそろえ合唱していきますが、音程をあえて合わせないところから生じる不可思議な和音が妙に心地よく頭に響きます。その中で、時導師の先導のもと、私たちも声明を唱え堂内には、人々の声が一体になって響き渡ります。この参拝者も一緒に声明を唱えるというのがとても心地よく祈りの世界に入り込んでいくような気持ちになりました。


c0195134_0101033.jpg法会の最中には、薬師寺のお香水が参拝者に配られます。竹のひしゃくですくったお香水を、手で受け体に刷りこみます。ありがたや~。

法会終盤には、法螺貝が一斉になり、、鐘がガンガン叩かれ、ドンドンと太鼓などが鳴り響くなか、呪師帽をかぶった呪師(しゅし)が内陣を真剣を持って堂内を3周します。腰を落としてすり足で疾走するあやしさといい、賑やかさといい、いかにも密教の儀式といった感じです。これは、呪師が真剣で天地の邪悪なものを切り裂き内陣の結界を作り清めるという作法だそうです。
写真は、練行衆が撒く散華をひろったもの。法螺貝や呪師帽の写真は、南都銀行に展示されていたものです。


c0195134_0103743.jpg
c0195134_0173481.jpg
c0195134_0175231.jpg

c0195134_0491920.jpg
夜10時頃に半夜の行がおわり、一旦、慈恩殿へ戻り仮眠をとります。参篭される方は、この日は8人くらいでしょうか。皆さん、後夜の行に備えてすぐに就寝です。
朝3時。寒空の下、後夜の行に、向います。夜の法会は観光客でいっぱいですが、さすがに朝は、人がまばらです。しかし、この朝の静寂としんしんと冷える金堂の中でこそ声明が、身が引き締まり体が清められるようで、声明が体全体に響いてくる感じでした。もし、声明を体験されたい方は、この朝の行に参拝されることをオススメしたいですね。後夜、晨朝の行がおわるのは朝の5時。白々と空が明けてきました。明日は、薬師寺の造花について書きたいと思います。

参考ブログ -東大寺お水取り in国立劇場
チベット声明はこちら
浅草寺の声明はこちら



by rojiuratanken | 2009-04-03 21:58 | 奈良&京都